4K?
最近PS4 ProやXbox One Xなどでよく使われる売り文句に「4K」「HDR」というものがありますが、一言でいうと、キレイなグラフィックをよりリアルな色で楽しめるという意味です。
4K(UHD)はディスプレイの解像度のことで、「3840×2160」となります。現在私たちの生活の中で一番普及している解像度はフルHD(2K)で、「1920×1080」となります。一般的なモニターからテレビまでそのほとんどがこのフルHDですね。
Kは1,000を意味する単位のことで、4Kは4,000、2Kは2,000になります。3840はおよそ4,000なので4Kといい、1920はおよそ2,000なので2Kというわけです。解像度の横の数値をとり、略して4K・2Kと呼ばれています。
解像度からわかるように4Kは2Kの4倍にあたる解像度なので非常に細かくグラフィックを表現することができ、とても緻密でキレイな映像が楽しめます。
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HDR?
HDRは「High Dynamic Range」のことで明暗の範囲を拡大させたものを意味します。既存のディスプレイに適用されているSDR(Standard Dynamic Range)よりもさらに明るい部分や暗い部分を表現できるようになりました。
↑↑iPhoneで蛍光灯を撮ってみるとわかるように明暗の差が大きい場合、非常に明るい部分は白飛びし、黒い部分は黒く潰れてしまったりと、実際の目で見た感じと若干違うものができあがります。実際にはこんなに白飛びなんかしていないし、こんなに黒く見えたりはしないはずです。
↑↑そこでHDRを適用すると(具体的には写真の合成ですが)、白飛びのところは抑えられ、暗かった部分は少し明るく調整され、実際に目で見たときに近い、よりリアルな写真が得られます。このような写真でのHDR技術がTVやモニターなどのディスプレイにも適用され、よりリアルな映像を楽しめるようになりました。
また、明暗の範囲を今までのディスプレイではSDRという標準に基づき、100nitまでにしか対応していなかったそうです。つまり100nitを超える自然の光は表現ができていなかったということになります。人間の目は0~40,000nitまで認識できるそうなので実にもったいないですよね。ちなみにnitとは輝度の単位で、1nitはロウソク1本の程度の明るさを意味します。
最近になってHDR10という新しい規格のもと、1,000nitまで拡張しており、様々なディスプレイ企業が参加しています。そのため、1,000nitに対応しているテレビやモニターなどが徐々に登場し始めています。これで今まで以上に明るい色も白飛びしないで表現でき、また暗い部分も潰れずにしっかりと黒く映すことができるようになります。まだHDR10のピーク輝度の10,000nitには全然到達していませんが、既存の100nitから10倍の1,000nitまでに引き上げたのは大した発展といえるかもしれません。
まとめるとHDRはより自然に近く、明暗のバランスがとれている色を見せてくれる技術ということがわかります。
1,000nit対応ディスプレイ
HDRで大事になってくるのが輝度のnit数となりますが、輝度が高いほどよりリアルな明暗を表現できるため、HDRに対応しているディスプレイの中でも輝度は必ずチェックすべき項目といえるでしょう。
しかし現実はというと、そうはいきません。いま色んなメーカーがHDR! 対応!と謳いながら製品をアピールしていますが、そのほとんどは1,000nitに到達しておらず、300nit ~ 600nitが大半です。ここは企業にとっては公にしたくないところでもあるためか、それぞれの製品ページに仕様を確認しても載せてない場合も多いです。そのため、HDR対応だからといってみんな同じわけではないので輝度を必ずチェックしたほうがいいです。HDR10時代になり、せっかくゲームや映画など様々なデジタルコンテンツが1,000nitで製作されてもそれを500nitでしか表現できないHDRディスプレイでは、上で述べたように明るい部分は白飛びしたり、暗い部分は潰れてしまったりと、また同じ現象が起きるので「HDR対応!」の意味がないわけです。
いまはとりあえずHDR信号に対応してさえいればHDR対応!と名乗れるわけで、輝度に関して制限があるわけでもないので輝度が低くてもHDR対応と謳っている状況です。
1,000nit対応テレビはPanasonic DX950, BRAVIA X9500E, X9300D, REGZA Z20Xなどが対応しているそうですが、テレビはまだいいほうで、モニターの場合はさらに少ないです。また、モニターはテレビに比べて平均輝度が低いので500nitでも高輝度として扱われるほどです。
そこで1,000nitを対応しているモニターを調べた結果、「DellのUP2718Q」と「ASUSのPG27UQ」がありましたが、PG27UQはまだ発売すらされていないようです。発表は1年前からしているらしいですが、いまだに発売されていません。
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理想のPG27UQ
さて、理想ともいえるPG27UQですが、
正式な名称は「ROG SWIFT PG27UQ」。
ASUS開発の27インチのHDR対応の4Kゲーミングモニターです。
PG27UQのスペックを簡単に書くと、
・解像度:3840×2160 (4K)
・パネルタイプ:IPS
・HDR:HDR10対応
・輝度:ピーク時1,000nit
・Refresh rate :144Hz
・NVIDIA G-Sync対応
・インプット:Display port 1.4 x 2, HDMI x 1
になりますが、本当に理想的なモニターだと思います。
まず、これまで散々述べてきた輝度1,000nitもクリアしています。
それに、私はNVIDIAのグラボを使っているのでG-Sync対応はうれしいです。
また、ゲーミングモニターだけあって滑らかな144Hzというリフレッシュレートも大きなメリットです。
現在、HDR非対応の4Kモニターを使用中の私としては、タイトルでも書いたように、
4K, HDR, 1000nit, 144Hz, G-Syncをすべて満足しているモニターはこのPG27UQだったので強烈に欲しくなりました。
気になる値段ですが、これだけ高性能であることから安くはないだろうということは容易に想像できますが、おそらく1500~2000ドルくらいになるだろうとの予測が出ています。
PG27UQの商品ページ
https://www.asus.com/us/Monitors/ROG-SWIFT-PG27UQ/
唯一ちょっと残念だなーと思ったのは27インチということ。4Kなので27インチじゃ4Kの恩恵は100%受けられないのでもうすこし大きければなと思いました。
このPG27UQは2017年に発売予定だったのですが、2018年1Q に延期となりました。そのため、PG27UQを待っている人たちは世界中にたくさんいます(笑)。私もその一人です。
ゲーマーの中にもゲーム内容さえ面白ければゲーム環境なんかはあまり気にならないタイプの人もいれば、ゲーム環境やパフォーマンスが十分でないとやる気すら起こらないタイプの人もいますよね。
私も後者のタイプに近い人間で、せっかくゲームをするんだったら今の新技術をすべて活用した最高の環境でやりたい!と思う派なので今回色々調べてみました。
とても待ち遠しいPG27UQですが、しばらくは待つしか方法はなさそうなので頑張って待ってみようと思います。
※参考サイト
・CES 2017: Hands-on with the ASUS ROG Swift PG27UQ HDR Monitor
・Acer and ASUS Delay Their 4K 144 Hz G-Sync HDR Displays to 2018
・[COMPUTEX]ASUSがHDR対応のゲーマー向け液晶ディスプレイ2製品を披露。湾曲型とフラットな4Kモデルをラインナップ
※2019年7月7日追記
2018年半ばくらいに海外で少しずつ販売が開始し、日本には2019年の年頭から徐々に購入ができるようになりました。しかし在庫が少なすぎて入手できず手こずっていましたが、今年2019年2月に秋葉原の某店舗からかろうじて入手することができました!
今ではだいぶ在庫にも余裕が出てきて買いやすくなり、量販店でも扱っている店舗が増えてきています。
入手してからすぐにレビューを書きたいと思っていましたが、結局5ヶ月も経ってしまいました・・・。近いうちにレビュー記事を書きたいと思います!
安くはありませんが、気になる方はどうぞ。↓
PG27UQ
ASUS ゲーミングモニター 27インチ ROG SWIFT PG27UQ(4K/量子ドットIPS/HDR10/4ms/144Hz/G-SYNC/直下型LED/Aura Sync/HDMI/DP)
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番外編
PG27UQ以外にもいくつか気になるモニターをピックアップしてみました。
1. LG | 32UD99-W
4K, HDR10, 550nits, 31.5インチ, USB Type-C, FreeSync, 5Wスピーカー内蔵, 11万円程度
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6か月以上ずっと品薄状態が続いていて購入できなったのですが、今年2018年になってから入荷が再開している様子。これだけ機能が豊富で11万円というのは非常にリーズナブルな価格かと思います。しかも32インチ・・・。4Kともなると27インチは小さい感は否めないですよね。せめて32インチ以上は欲しいものです。
FreeSyncなのでAMD系のPCやグラボを使っている人にはオススメ。そういえば、最近発売のXbox One XもFreeSyncを対応しているそうです。ちなみにPS4はFreeSyncとは関係ありません。
また、USB Type-Cを搭載しているのでMacなどUSB Type-Cで充電できるタイプのパソコンを使っている人には非常に使い勝手がいいと思います。
その他、おまけにスピーカーも付いているので、スペース節約にもいいですね。
2. LG | 27UK850-W
4K, HDR10, 450nits, 27インチ, USB Type-C, FreeSync, 5Wスピーカー内蔵, 8万円程度, 2018年2月14日発売予定
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32UD99-Wの低価格版でしょうか。2月14日発売予定とのことで予約販売が始まっているようです。27インチ、そして最大輝度を100nitsほど落として32UD99-Wより3万円安くなっていると思われますが、HDR10対応, USB Type-c対応で8万はかなり魅力的な値段かもしれません。32インチまで要らない人はちょうどいいかもしれません。
とりあえずHDR対応している4Kモニターで、USB Type-Cも使えて10万円以下がほしい!というのであれば、これは買いですね。
3. LG | 27UK650-W
4K, HDR10, 450nits, 27インチ, FreeSync, 6.5万円程度, 2018年1月26日発売予定
LG モニター ディスプレイ 27UK650-W 27インチ/4K/HDR10対応(標準輝度:350cd/㎡)/IPS非光沢/HDMI×2、DisplayPort/高さ調節、ピボット対応
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27UK850-WからUSB Type-Cとスピーカーを削除した低価格版です。USB Type-Cとスピーカーが要らない人はこれでいいかもしれません。4K HDR対応モニターがなんと6万円台・・・! いい時代になりましたね・・・。
とりあえず余計な機能を省いてシンプルにHDR10対応と4Kだけほしいという人にはこれが最強かなと思います。
4. ASUS | PG27AQ
4K, G-Sync, 応答速度4msだが、HDR非対応、11万円程度
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普通に4Kゲーミングモニターとして性能は申し分ないです。
5. ASUS | PG279Q
WQHD(2560×1440), G-Sync, リフレッシュレート165Hz, 10万円程度
ASUS ゲーミングモニター ディスプレイPG279Q 27型 リフレッシュレート165Hz IPS WQHD SRGB100% フリッカーフリー ブルーライト軽減 GSYNC DP HDMI USB
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4Kにこだわりがなく、本当にゲームパフォーマンスだけに集中するならこれかなー。
ちなみにPG27UQ入手前に使っていた4Kモニターは、LG 27UD68というモデル。
LG モニター ディスプレイ 27UD68-P 27インチ/4K(3840×2160)/IPS 非光沢/HDMI×2、DisplayPort/ブルーライト低減機能
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4Kモニターとして十分良い性能を出してくれています。10bitの色表示はキレイです。
最後に
いかがでしたでしょうか。この記事で4K + HDRのディスプレイ(特にゲーミングモニター)を検討中の方に少しでもお役に立てればと思います。まだ私が見つけられていない、もっと優れているディスプレイがあるかもしれませんが、そのときはコメントなどで教えていただければと思います。
HDRを試すなら、これらのゲームがいいかも知れません。特にアサシンクリードオデッセイはこれまでHDR効果を試した中で一番すごかったのでオススメです。
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