一番の理由:人生は計画通りにはいかないから。経験上、95%くらいは計画通りにならない。絶対に予想もしなかったことが起きるし、途中で一度狂い始めると以降の計画は全て意味がなくなってしまう。このようなことをあまりにもたくさん経験したから計画を立てることの実効性と意味を見出せなくなってしまった。もちろん実現可能性の低い無茶な計画もいつくかあったが、それらは数えられるほど少ない。ほとんどは現実的に十分実現可能な計画だったにも関わらず、計画通りにいったのは極めて少なかった。
昔からTodoアプリには個人的に非常に興味があり、遊び感覚でよく使っていたが、その延長線上として仕事でも積極的に活用したいと思い、会社員の時代ではかなりヘビーに使っていたものだ。
それこそ、GTD理論をベースとしたOmnifocusやThingsのようなメジャーなものから、いちいち名前をあげるまでもない多くの無料アプリまで本当にたくさん試してきた。ここまでやれたのは仕事をもっと効率よくこなしたいという欲望よりも単純にこういうアプリをいじるのが楽しかったからかもしれない。
もちろんTodoアプリに助かった場面もあった。たとえば、同時にこなさないといけないタスクが多く、かつ、それらがある程度決まったルーティン化してるタスクであればTodoアプリは役に立ったりするが、ほとんどの業務ではやはり予想できなかったアクシデントが常によく起こり、せっかく立てた計画が台無しになってしまうケースが非常に多い。
そこでまたその計画を立て直すのに労力を使うのも疲れるし、実際に計画を見直す余裕などあるはずもなく、臨機応変に状況に応じて対応していくことで精一杯になってしまうため、Todoアプリどころじゃなくなる。こんなのがザラにあるし、いや、ほとんどの場合こうなのだ。理想と現実の違いというのはこういう場面でも如実に現れる。
会社のような組織での仕事もそうだが、自営業やフリーランスの仕事もまた様々な横槍やアクシデントが起こり、計画通りにいったことは数えるくらいしかないのが現実である。
計画を立てる行為自体が全く意味がないとまでは言わないが、計画に頼り過ぎてもストレスしか残らない。
真面目な人ほど陥りやすい、依存しやすいタスク管理。
その通りにやれば達成できると大きな期待をしてしまっている。
だけど、物事は本当に「なるようにしかならない」。
つまり、結果はコントロールできない。
計画ってのはそもそもその結果をコントロールしたいがために試みるものなので、「なるようにしかならない」という言葉は「計画」の正反対の概念である。
しかし、世の中、なんでも人間どもは計画を立てるのが好きなようで、その通りにやっていけば達成できてしまう魔法が起こることを期待してるところがある。
その典型がこのタスク管理というやつなんだと思う。
アクシデントのような予想外のことが起きた時に柔軟に対応するためにも綿密な計画は重要だと言う人も居そうだが、計画を管理し、修正するのにも大変なエネルギーと時間がかかる。
途中から計画のための計画みたいなよくわからない謎の状態に陥りやすい。
もう一度言うが、結果はコントロールできない。
結果がコントロールできないという事実を受け入れることはとても大変で勇気がいるし、プライドが許さない人もたくさんいると思う。特に人生経験がそんなに無い若い人や、自意識がとても強くなんでも努力すれば叶うと信じてやまない人にこの話は聞き入れてもらえないだろう。
しかし、人生ほとんどが運で決まるし、結果なんてものも当然コントロールできないものなので、結局人間に残されているのは、
「できることをやる」
これしかないのだ。
人間にできることは、「できることをやる」こと以外無い。
なんだか、つまらない言葉遊びのように聞こえるかもしれないが、
まあ、真実はこれだと思う。
そして、できることをやる上で、以下の2つを意識しておくのは良いと思う。
- Do what really matters.(自分にとって本当に大事なことをやる)
- 過程を楽しむ、今を楽しむ、今を頑張る
ただし、これもまた、自分にとって本当に大事なことをやったところで希望通りになることは期待してはいけない。その通りになればラッキー、その通りにならなかった場合は残念・・・程度で受け入れられる精神的余裕は必要だ。
どうせやるのなら、自分にとって本当に大事だと思うことをやろうという意味でしかない。そして結果には執着しない。過程を楽しむ。
もう本当にこれしか、人間にはできることがないのだ。
もちろんこれは私個人の経験や人生観をもとに述べたもので、様々な意見があるだろうし、どれも尊重すべきだと思う。
でも絶妙に人生上手くいってる人以外の40代以上の人にはこの記事で述べたことについてかなり共感できたんじゃないかな。